ギレルモ・デル・トロ監督が、問題のプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインと過去に仕事をした苦い思い出について語ってくれました!!
今年2017年公開映画のBEST➀とも言われる傑作「ザ・シェイプ・オブ・ウォーター」(北米12月8日限定公開)を披露するために英国映画協会主催のロンドン・フィルム・フェスティバルに赴いたギレルモ・デル・トロ監督が参加した座談会の席で、やはり、渦中のハーヴェイ・ワインスタイン問題が持ち出されたことから…、
“ ぼくのアメリカでの最初の映画作りは、ほとんど、それが最初で最後のものになると思った。ワインスタインたちのミラマックスでの仕事だったんだ。 ”
…とのことで、具体的に映画の題名を言うと、となりのギレルモ・デル・トトロ監督は、1997年公開の「ミミック」のお話をされているわけですが…、
“ 90年代の後半に、身の毛がよだつような恐ろしい出来事がふたつ、僕の身にふりかかったんだ。ひとつは、お父さんが誘拐されたこと、もうひとつは、ワインスタイン兄弟と仕事をしたこと。どちらがより酷いことかというのはわかってる、でも、誘拐は理に適っているんだ、犯人たちが何を求めているのか、その要求が理解できる。 ”
…だそうですから、1998年にお父さんのフェデリコさんが誘拐されて、72日間もどこかに拘束をされ、身代金の支払いを求められてしまった…という、お父さんの命を賭けた駆け引きの末、どうにか、無事にお父さんを救い出すことができたギレルモ・デル・トロ監督は、もう自分の祖国で暮らすことはできない…と覚り、親族を連れて、メキシコを離れるしかなかったのですが…、
そのギレルモ・デル・トロ監督ですら痩せ細ってしまいかねない心労の誘拐事件よりも、ハーヴェイと、その弟ボブのワインスタイン兄弟と交渉を重ねるつき合いの方が、同監督にとっては苦痛だったようで…、
“ 出演者の起用をめぐるキャスティングのバトルで、ぼくは負けた。映画のストーリーをめぐるバトルでも、ぼくは敗退した。でも、ひとつだけ、ぼくがモノにできたのは、「ミミック」の見た目の映像は 100%、ぼくが希望した通りなんだ!! ”
ひとの家族を誘拐するような連中よりも、さらにタチが悪いワインスタイン兄弟から突きつけられる筋の通らない要求の多くに屈してしまったアメリカ映画の製作は初体験の “ 新人 ” ギレルモ・デル・トロ監督でしたが、でも、「ミミック」のことを忌み嫌っているかというと、けして、そうではなくて、映像は希望通りのゴージャスなものに仕上がったし、いくつかのシーンには満足をし、自分の映画として誇りにすら思っているそうです…!!
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